脳が一気に老いる歯と認知症の関係
歯と認知症には、深い関係があります。
噛むと言う動作は脳の血流を良くし、記憶に関係する脳の『海馬』を活性化する働きがあることが分かっています。
つまり、噛み合わせが悪くなったり、噛む力が弱まったりすると、認知機能が低下する可能性が高いです。
最後までハッキリとした頭で過ごすためにも、歯を健康に保つことは重要です。
「歯を削ったり、神経を抜いたり、抜歯をしたりすると」、体全体の健康状態にも悪影響が出ることが近年研究で分かってきました。
糖尿病、心血管疾患など様々な病気を引き起こす可能性があるのです。
歯の本数が少ない人や、上の歯と下の歯の噛み合わせが悪く、
上下が接している面積が小さい人ほど、脳の中の記憶や計算を
司る部位が活性化していないことが、MRIの検査で分かりました。
その仕組みは、物を噛むと歯と、歯を支えている膜を通して、食べ物の温かさや冷たさ、味などが、脳の中で刺激する。
食べ物を噛み、味わうことが脳を活性化されていると言うことです。
歯を削り、抜くことは、日々の食事を噛みしめることができなくなり、脳への刺激は小さくなり、認知機能が
みるみる低下していくことになります。
歯を削る、抜くことによるリスクは他にもあります。
口の中にある700種類以上と言われる様々な菌が、体内に流れ込んでしまう恐れもあります。
口内には非常に多くの細菌が生息しており。これが原因で病気が起きることがあります。
抜歯後、すぐに脳梗塞や心筋梗塞を起こす人が多いのです。
すでに動脈硬化や高血圧を患っている高齢者の方は特に注意したほうが良いです。
歯を削ることは、寿命を縮めるリスクがある。
歯の治療をする時は、そのことを念頭においてた方が良いです。
●食べ物や食べ方で歯の寿命を10年延ばす「食事術」
1、糖質を減らす
「すぐに始められる虫歯、歯周病のケア」として、まずは糖質、炭水化物の量を減らすことが上げられます。
これまで歯周病、虫歯の予防やケアといえば、歯磨きの方法、歯磨き粉の種類の選び方などが主でした。
しかし、「食事のとり方」によっても、歯の病気を予防、治療できることが明らかになってきました。
その一つが「炭水化物を減らす」ことです。
どう言うことかと言えば、歯周病の原因には、炭水化物の取り過ぎで血糖値が高くなっていることもあります。
血糖値が急激に上がり、血管が傷ついたり、免疫力が下がったりすることで、虫歯や歯周病のリスクが高まるのです。
糖尿病の人は歯周病になっている人が多く、
又食事の後に、血糖値が急激に上がったり、
下がったりする『グルコーススパイク』
が極端な人も、虫歯になりやすいことが研究でわかりました。
それに、炭水化物は歯周病菌のエサであり、プラーク(歯垢)も作りやすいので、
最低限の量(ご飯なら茶碗2杯ほど)にとどめることが重要です。
標準的な体形の50~60歳の男性は、1日あたり300g程度(ご飯なら茶碗2杯ほど)この量を越えないように食事を調節しましょう。
2、食べる順番も大切です。
食事の時、最初に野菜を食べ、最後にごはんを食べると言う順番にすると良いです。
野菜の植物繊維やビタミン、ミネラルには、糖質が体内に吸収されるのを抑える働きがあるからです。
3、今すぐにやれる方法もあります。
それは、食べる時間をゆっくりすることです。
「日本人には食べるのが速い人が多い」ので、ゆっくり食べ、よく噛めば、満腹中枢が刺激され、それほど炭水化物を摂取する必要がなくなります。
これが血糖値の上昇を抑えてくれます。
4、加えて重要なのは、唾液です。
たくさん噛むことによって唾液が大量に分泌されます。
唾液は歯垢を洗い流す効果があるうえ、殺菌力が高いので、歯周病菌や虫歯菌を殺す効果もあるのです。
5、一度虫歯になってしまった人は、歯の組織を回復させる「再石灰化」を促す必要があります。
「その為には、再石灰化を助けるマグネシウムをたくさん含んだ食べ物を摂取することが大切です。
もっとも良いのは海藻で、ワカメやメカブ、ヒジキがおすすめです。
「歯の再石灰化を進めるため」には、肉、魚、卵、豆類も
偏らないように、たっぷり、積極的に食べて欲しいものです。
最後まで、自分の歯で食べるためにも、食事を見直す価値があります。